2017年12月10日主日礼拝報告

教会の暦ではアドベント第2主日でした。

淡路教会の主日礼拝は毎週子どもたちとの合同礼拝です。第1部のこどもの礼拝では新約聖書・使徒言行録4章23~26節(新共同訳旧約聖書・220ページ)を読み、Oさんが「どうして仲よくできないの?」というタイトルでお話してくださいました。

第2部の礼拝では、旧約聖書・ルツ記1章7~13節(新共同訳旧約聖書・421ページ)を読み、牧師から「関係の解消」というタイトルでお話をしました。

(以下、牧師の話の要旨)

「関係の解消」

義理の親との折り合いが悪い、義理の親の介護をしたくない、墓を継ぎたくない、死んだ結婚相手との関係が重荷などなど、様々な事情を背景に「死後離婚」のことが新聞などで取りざたされている。正確には、婚姻によって生じた法的な関係を終りにするという制度。「姻族関係終了届」という書類を役所に提出するだけらしい。実際には、この届を出しても出さなくても大きな違いは生じないようだが、結婚相手亡き後の人生を一歩前に進めるための「きっかけ」や、「姻族」と何とかやっていくための「お守り」などの機能を発揮しているという。

今日の聖書個所の中で、オルパとルツという二人の女性が、姑にあたるナオミにしていることは「死後離婚」とは真逆のことである。しかし、「ルツ記に照らし合わせてみれば、『死後離婚』などもってのほかだ」などという安易な結論を見出すことはできない。当時の社会のしきたりによれば、結婚相手に先立たれた女性は、結婚相手の兄弟と再婚する必要があった。しかし結婚相手であったナオミの二人の息子は亡くなり、なおかつ再婚すべきナオミの息子はいないのだから、オルパとルツにはもはやナオミとの関係を続ける理由はない。なのに彼女らは共にナオミの故郷ユダに行くというのである。これは確かに「死後離婚」とは方向性は逆である。ナオミは二人の申し出を拒み、実家に戻るように勧めるのだが、問題はナオミがなぜそう勧めるのかということだろう。

ナオミはどんな人物として描かれているだろうか。遡って6節を見てみる。ナオミが故郷のユダを離れて家族4人でモアブ(オルパとルツの故郷)に来たのは、ユダが飢饉に見舞われたためであった。ルツは家族3人を失いユダに戻る決意を固めるが、それはナオミがある噂を耳にしたことがきっかけとなっている。「主がその民を顧み、食べ物をお与えになった」というのだが、それは神からナオミへのお告げのようなものではなく、伝聞に過ぎないのである。ナオミは帰郷を自分で決めたと言えるのではないだろうか。ナオミと神との関係がとてもフラットなものである印象を受ける。服従や忠誠が求められるような関係にはない。

ナオミは、結婚相手に先立たれたオルパとルツとの関係にも同様のものを求めているのではないか。新たに再婚相手を探すことが幸せにつながるとは必ずしも言えないと思うが、姑との関係に縛られる必要はないとナオミが二人に言っていることには共感する。

注目すべきは8~9節。ナオミは二人にこう言っている。「あなたたちは死んだ息子にもわたしにもよく尽くしてくれた。どうか主がそれに報い、あなたたちに慈しみを垂れてくださいますように。どうか主がそれぞれに新しい嫁ぎ先を与え、あなたたちが安らぎを得られますように」。この言い回しは実に興味深い。「憐れみ深い神が必ずあなたたちに報いてくれるはずだ。だから里に帰りなさい」というのではない。むしろナオミは神に向かってこう言っているのではないか。「神よ、あなたは、わたしに対しては苦難ばかりを負わせたけれども、オルパとルツの二人を見習って、オルパとルツにはちゃんとしなさい」。オルパとルツがナオミにそうしてきたように、二人に慈しみを示すようにと神に対して訴えているのだ。ナオミの強い信念のようなものをひしひしと感じる。

この後、オルパは実家に戻り、ルツはナオミと共にユダに行くことなる。しかしナオミは、いずれにしても二人それぞれの幸せを最優先に考えているのではないだろうか。少なくとも10年以上、異教の地モアブでナオミは生活して来た。異国で暮らすことの大変さをナオミは十分に承知しているということではないかと思われる。だからナオミはオルパとルツがユダという異国に一緒に行くことを望まなかった。「嫁」の「姑」への服従とか、あるいは神から与えられた嗣業を継ぐために、亡くなった結婚相手の兄弟と結婚するというしきたりとか、そういったことよりも、まずは一人の人間。何よりも、その人の幸せを求める、そんなナオミの姿が今日の箇所には浮かび上がって来る。

(以上、牧師の話の要旨)

次週12月17日(日)はアドベント第3主日です。聖書個所は新約聖書・マルコによる福音書10章46~52節(新共同訳新約聖書83ページ)です。讃美歌は、『改訂版こどもさんびか』から10と70番、『讃美歌21』から244と286です。どなたでもぜひご参加ください。

礼拝後は会堂清掃、定例役員会の予定です。

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