2014年3月16日主日礼拝報告

メンバーのMさんが献げてくださったお花

メンバーのMさんが献げてくださったお花

教会の暦では復活前第5主日でした。子供の礼拝では、メンバーのOさんが「やくたたず」というタイトルでお話をしてくださいました。

礼拝の中で新約聖書・使徒言行録17章10~15節を読みました。牧師からは「そのとおりかどうか」というタイトルでお話をしました。

(以下、お話の要約)

3月11日に、天満教会で大阪教区3.11震災三周年を覚える集いが行われました。集いの前半の礼拝でお話をしてくださった牧師が、震災後、福島第一原発による被爆の影響で生まれて来ることができなかった子供たちがいるという話をしておられました。福島では今、なかなか放射線被害のことを話せないと聞きます。風評被害につながると言われるからです。子供のご両親も、おそらくこのことをずっと背負って来られたのではないでしょうか。一生、ご夫婦だけの秘密にしておくつもりだったという方もいたそうです。安心できる居場所と信頼できる相手を得て、最近になってようやくそのことを話されるようになったのだと思います。その話を聴いてから僕は、「その子どもがどうして生まれてくることができなかったのか」ということが頭から離れません。ご両親はなぜ産むことができなかったんでしょう。

震災三周年を覚える集いの会場・天満教会

震災三周年を覚える集いの会場・天満教会

広島・長崎での「胎内被曝者」の方々は、戦後、直接の健康被害に苦しんだだけではなくて、いじめや差別を受けたそうです。自分の子供や孫たちの健康についてもずっと心配し続けて来ています。そういう現実を知ると、やはり「胎内被曝」した子を産むというのは親にとって簡単な決断ではないはずだと思えます。「何も心配せずに産んでください。できる限りのことを一緒にして行きましょう。いじめや差別が起きないように一緒に頑張りましょう」。そう言えたら良いのですが、現実はまったく反対です。今一応止まっている、日本国内の原発は、再び動き出すでしょう。親の苦悩や、生まれなかった子供のことよりも、電気や経済の方を大事にしてるんです。そんな国でお胎に宿った子供を産むという決断をするのは親にとってやっぱり難しいと思います。

使徒言行録17章10節から15節の中で注目したいのは、11節の「そのとおりかどうか」という言葉です。本当にその通りなのかどうか、言われていることが本当なのかどうか、わたしたちは、わたしたちなりに考える必要があるんだと僕は思います。わたしたちは、べレアのユダヤ人たちみたいに、毎日、熱心に聖書を調べるようなことはできないかも知れません。でも一人一人が、自分なりに、本当にそうなのかどうか、考え続けることはできるんじゃないでしょうか。

生まれることのなかった福島の子供が、どうして生まれることがなかったのか、何のためにお胎に宿ったのか、僕はこれからもずっと考え続けたいと思います。その子供は本当に生まれて来ることはできなかったんでしょうか。あの状況では仕方ないんでしょうか。確かにそうかも知れません。そのご夫婦の苦悩は並大抵のものではありません。でも、そうだとしたら、いったいどうしてそうなってしまったんでしょうか。それでいいんでしょうか。いつまでそうなんでしょうか。僕は考え続けたいと思います。

どうしてかというと、イエスが「時は満ち、神の国は近づいた」と告げて、「神の国」にふさわしい、「罪人」のいない世界、汚れなどない世界を生きたからです。その「神の国」は今も近づいていると信じるからです。「仕方なかった」とか、「こうじゃなきゃダメなんだ」とか、誰も言わなくていい、そんな「神の国」が近づいていると僕は信じるからです。「わたしはわたしでいいんだ」「わたしは生まれて来てよかったんだ」って、誰もがそう言える世界を、イエスは示してくれたと思うからです。だから僕は、生まれて来ることのなかった福島の子供が、何のためにお母さんのお胎に宿ったのか、これからも考え続けて行きたいと思っています。「神の国は近づいた」。イエスはそう言って活動を始めました。その働きは今も終わってはいません。

(以上、お話の要約)

教会の暦の上では、受難節を過ごしています。4月20日(日)のイースター(復活祭)まで続きます。次週3月23日(日)は復活前第4主日(教会暦)。礼拝は午前10:30~11:45です。礼拝後には、讃美歌を一曲練習する予定です。聖書箇所は旧約聖書・ヨブ記18章15~21節、お話のタイトルは「記憶から消え去っても」です。どなたでもぜひご参加ください。

報告:山田有信(牧師)

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